7/27/2023
Press Release
Innovation
Nippon Gases
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Nippon GasesとSarralle社: グリーン水素のみを燃料とする世界初の取鍋予熱装置を導入
日本瓦斯とSarralle社、ArcelorMittal Sestao社で世界初のグリーン水素燃料取鍋予熱ステーションを稼動

日本酸素ホールディングスグループの欧州事業会社であるNippon Gases(NGE)は、カーボンニュートラルとサステナビリティに関する取り組みをサポートする企業として、Sarralle社の協力のもと、製鋼プロセスにおいてグリーン水素を利用できる最先端の技術をArcelorMittal社のSestaoプラントに導入しました。これは、CO2排出量ゼロを実現する、グリーン水素のみを燃料とした世界初の取鍋予熱装置となります。

この成果は、他のイノベーションや技術とともに、ArcelorMittal社の Sestaoプラントにおいて、2025年までに製鋼工程全体のCO2排出量をゼロにするという目標に向けた重要な一歩を踏み出すことを可能にするものです。

今回のプロジェクトは、現行の取鍋予熱作業を改善し、燃料を天然ガスからグリーン水素に転換することにより、CO2排出量を最小限に抑えることを目的としました。その結果、燃料としてグリーン水素のみを使用し、取鍋を加熱した場合、全ての条件において、必要とされる温度に昇温することが実証されました。加えて、昇温速度の増減、取鍋の均一な加熱、乾燥を実現し、取鍋の最上部から最下部に至る内部温度と外部温度が、予想される範囲に収まっているこが確認でき、鋳造に必要な温度条件もクリアしました。 また流量測定を実施したことで、推定水素消費量を把握でき、耐火物にも悪影響が生じないことを確認しました。グリーン水素のみを使用し、取鍋の加熱、乾燥を実施したところ、良好な結果となりました。

再生可能エネルギーから作られるグリーン水素の開発は、既に実現していますが、この技術はカーボンニュートラル実現に向けた鍵になると考えられており、欧州では、戦略的な投資が既に行われています。ArcelorMittal社のSestaoプラントにおける取鍋加熱装置用に供給される水素は、Hernani (Gipuzkoa県)に位置するNGEのプラントで生産されたものであり、再生可能エネルギーを使用して製造されています。

当プロジェクトは、カーボンニュートラルを目指す道のりにおいて、新しい水素・酸素燃焼システムがこれまでの取鍋予熱昇温速度を再現する能力を備えているだけではなく、CO2排出量ゼロへの取り組みを可能にするものであり、標準的な天然ガス・酸素燃焼による操業を上回る燃料効率を実現することを実証しています。

Sarralle社について

Sarralle社は、1965年にスペインのAzpeitiaに設立された企業グループで、環境、エネルギー、鉄鋼分野のエンジニアリング業におけるリーディングカンパニーです。同社は、設計・エンジニアリング・製造・据付業務を担っており、世界9ヵ国以上で 700人以上の高い技術を持った従業員が幅広く活躍しています。5つのビジネスライン(金属加工、圧延機、加工ライン、環境・エネルギー、作業場・在庫管理システム)に沿って、これらの分野の機器や設備の設計、エンジニアリング、製造、組立、試運転におけるソリューションを世界中で提供しています。